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ナザレン・ユース・セミナー講義録
講師:並木浩一


発行者 日本ナザレン教団
    ナザレン・ユース・セミナー委員会
発行所 日本ナザレン教団 出版部
発行日 2008年5月29日
サイズ 新書版  ページ 135P
配布価 800円

【講義録出版によせて】
日本ナザレン教団 理事長 松田基子
 
 今日のキリスト教界は、どの教団も信仰の継承と後継者養成に真剣に取り組んでいます。
 日本ナザレン教団では、二〇〇二年から五カ年に亘って毎夏ユース・キャンプを開催してきました。二〇〇七年度は五カ年を総括し、これからの方向性を探る年としてユース・セミナーに切り替え、会場も神学校に移し、内容は学びを中心としたものとなりました。このセミナーに並木浩一先生を講師としてお招きできたことは最大の喜びでした。大きな期待が寄せられ、参加者はユースばかりでなく、多くの受講者が集まりました。
 講義は並木先生ならではの『創世記を読む』と題して、聖書の深さ豊かさを汲み出し分け与えられた、素晴らしいものでした。並木先生は、特に青年たちに対しては『聖書を読むたのしみ』などの共著がおありのように、青年たちが抱く、聖書は古典の難しい近づき難いものというイメージを取り払い、聖書は難しいが面白いという視界を広げてくださいました。先生ご自身が聖書を楽しんでおられ、先生の講義は青年に、そして聞く者すべてに聖書を読む楽しみ、聖書に取り組む意欲を与えるものでした。「自分の人生に聖書の読みを更新していく、そうして聖書はいよいよ面白くなっていく」と言われる並木先生の講義に引き込まれていく参加者の姿を見て、こんなに素晴らしい講義を自分たちだけが聞くのは勿体ないと思いました。
 そうした折、NYS委員会が冊子にして出版するということを聞いて大変嬉しく思いました。青年たちは勿論のこと、全教団的に読まれることを願っています。聖書への興味、理解はいっそう深まることでしょう。このような形でユース・セミナーの働きの実が全教団に波及していくことを心から感謝します。
 講師の並木浩一先生の上に、出版の労を執ってくださった方々の上に、主の豊かな祝福をお祈りいたします。
 

〈 目 次 〉
 
【第一回講義】
 
まえおき
 
第一章 説教のために旧約聖書を理解する意味を考える
 ・一節 旧約聖書は「正典」、「聖典」、「テクスト」という三つの顔を持つ
 (一) 「正典」としての聖書
 (二) 「聖典」としての聖書
 (三) テクストとしての聖書
 ・二節 課題を持って聖書を読む者にメッセージはあたえられる
 ・三節 旧約聖書を学ぶ今日的な意味はどこにあるのか
 ・四節 創世記の課題提起と構想
 ・五節 原初史自体が読解に基づく叙述である
 
【第二回講義】
 
復習を少々
第二章 神話を批判する原初史(創1~11章)
 ・一節 国家は神話を必要とする
 ・二節 創世記一章の創造物語は天体を非神格化する
 ・三節 神は人間を神の似像に従って造った
 ・四節 創世記の天地創造は安息日の起源を語る
 ・五節 結論
 
第三章 生物の共生を求める創造記事
 ・一節 キリスト教文明と地球環境破壊の責任
 ・二節 生命系中心のエコロジー哲学の提唱
 ・三節 世界の危機に早くから取り組んだ世界教会協議会と神学への影響
 ・四節 実践的な創造論を評価する現代の神学
 ・五節 生物間の食料の分配についての現実的な認識
 
第四章 創世記二~三章に描かれた人間たち
 ・一節 登場人物は特権的な人間ではない
 ・二節 登場人物たちの行動は私たちの現実を語る
 ・三節 人類はシナイ以前からヤハウェの意志を知っていた
 
第五章 イスラエル民族史に人類史が先行した
 ・一節 イスラエルの再出発に不可欠であったバビロニア
 
第六章 アブラハムの召命と現実
 ・一節 神によって選ばれた者は決断する
 ・二節 アブラハムへの祝福の約束
〈おわりに〉
 
あとがき
 
【図表一覧】
 ・ユダヤ教の聖書区分
 ・創世記1~11章の資料構成
 ・祭司文書「アダムの系図」の構成の図解
 ・セム系の系図
 
(以上)
 
 
 
 本講義録は2007年11月30日(金)~12月1日(土)にかけて行われたナザレン・ユース・セミナーで、主講師である並木浩一先生の二回に分けて行われた講義を録音・活字化したものを基に、先生ご自身の手で、さらに加筆修正を行ったものです。